いい仕事するし、手回しもいいテレビ東京


20年以上前、トレンド誌の仕事で「来年は何がくる?」と聞かれて、ちょっと狙って「テレビ東京中村由真」と答えたことがある。どっちも来なかったんだけど、ふと気づけば、ほかの民放がが雪崩をうって質的にだめになっていく中で、地道なバラエティや(準)ドキュメンタリー、スポーツ中継など、志と手間暇かけた仕事が定評を呼ぶテレビ東京。西麻布もいいドラマで着実に数字取ってるし、もはや「振り向けばテレビ東京」すら言ってられませんよ、某かつての「ドラマのナントカ」さん(笑)。

前のエントリにも書いたけど、テレビ東京フィギュアスケート放送はとてもいい。予算がないからよけいなゲストを呼ばずにすみ、かえって功を奏しているだけ、とは言えない、端正なスポーツ中継だ。スポーツとしては4月29日に放送したジャパンオープンの方が緊張感にあふれて優れているのは当然だが、このアナウンサーの冷静で正確な仕事ぶりはどうだろう。佐藤有香さんの解説も過不足がなくて、的確な知識を与えつつ視聴者を巻き込んでゆく。スポーツはそれ自体エキサイティング。エキサイトして共鳴するのは観客と視聴者だ。静かにほうっておいていただきたい。すぐ感極まって絶叫するアナウンサーとか、勘弁していただけませんでしょうか。どこの局とは言わないけど。

いや、そういう話ではなく、ジェフリー・バトルロジャー・バートの"Go the Distance"で見せてくれた滑りが素敵だったので、YouTubeで「jeffrey buttle gala」で検索して見つけて、ここに引っ張ってこようかと思ったら、


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とのこと。仕事早いね、テレビ東京

ほんとにきれいでした"Go the Distance"。彼の技量を持ってすれば、いくらでももってまわった演技をつけられるだろうに、抑制のきいた演技がストイックで優雅。神の子ヘラクレスの心情とひとつになっていました。やっぱりこの歌はいいなあ。ロジャー・バート、この歌唱は若いうちの財産だなあ。

欠場したヨナ選手の分も含めて二曲滑ったバトルくん。緩急ついたプログラムは魅力的でした。もう24歳かー。王子様の次の段階を探さなきゃならないのかな、そろそろ。

エキシビジョンは歌詞があるからこそ、とても18歳とは思えない歌詞とのシンクロぶりを見せるキーラ・コルピに目を奪われたり、10年前のチャンピオンの成熟した男の色気に酔っていると、急に軽々と跳んで驚かされたり、競技とは違う楽しみがありますね。



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