"Young Frankenstein"のナンバーについて、メル・ブルックスが語る

個人が掲示板にアップしてくれたデータなので一次情報にはたどりつけないけれど、どうしたってワクワクは止められない。

メル・ブルックスが、去年、恐らく"Young Frankenstein"のテーブル・リーディングが終了した直後の頃、カリフォルニアのLa Jolla Playhouseで上演された"The Wiz"のパンフレットで語ったインタビュー記事。今、本当に何ひとつ情報がなくて、じれたってしょうがない、とわかっていても焦れるばかりのこの時期にアップしてくれるとは。

Brooks on Broadway Q&A with “The Producer” himself.
By Ed Ochs

When he (Doctor) meets Igor at the train station, instead of them just doing a joke or two, they will do a song together called "Together Again for the First Time," because their grandfathers worked together and now they'll be working together, but for the first time. It's kind of a crazy vaudeville number.


うわああー、トランシルバニア駅で、ドクターとアイゴールが初めて出会う……そのシーンの歌は、超ボードビルなナンバーなんだっ! "Walk this way."は、どんなふうに出てくるんだろうか? 映画のヤング・フランケンシュタインでも大好きなシーン。というか、この映画に無駄なシーンはない。

"Where Did We Go Right?"のように、日本語に訳しにくいこのタイトル。もともとはラブソング? でもドクターとアイゴールなら「我ら今、再びともに。初対面だけど。」みたいな。プロデューサーズ日本版の翻訳をした高平哲郎さんなら、絶妙な訳をつけてくれるんだろうなあ。

Q. Will people will walk out of the theater humming these songs?

A. Oh, yes. I write very tuneful melodies, but I don't know if they're going to remember [the words]. The words are going to be very crazy and complicated.


メル・ブルックス自身が"The words are going to be very crazy and complicated."と言うのだから、歌詞を期待せずにはいられない。


最終的にシアトルと発表になったトライアウトの場所について、カリフォルニアの劇場のパンフレットの中で、

We'll probably go to San Francisco or Seattle, someplace really away, but a sophisticated enough town to get the nuances, to get the dark little jokes.


と語っている。ニール・サイモンの「ニューヨークにもLAにも等しく雨が降り太陽が照らすが、大きな違いもある。ニューヨークには面白い人が400万人いるが、LAには78人しかいない」という言葉があまりにも一人歩きして有名になりすぎ、訂正せざるを得なかった、というエピソードを思い出す。「78人は言い過ぎだった。60人しかいない」。LAとSFはそんなに違うのか。ただし、記憶、もしくは鮮烈な印象、もしくは、ぬぐいがたい偏見だけで書いているので、本当はこんなエピソード、なかったのかもしれません。


観客は最高の批評家にも最低の風評加害者にもなるけれど、メル・ブルックスは芝居を見たばかりの観客に「金払う価値あった?」と聞くのが好きらしい。


I always ask one basic question to the audience, "Was it worth the ticket price or do you want your money back?" Normally, 99 percent of the time they say, "No, no, it was good, it was worth it, just for that one number, the Igor number or the monsters singing 'Puttin' on the Ritz: it was worth it just for that."

"'Puttin' on the Ritz:"と"the Igor number"が、ふらっと並列に出てくるのが憎いなー、メル・ブルックス





……もうどれくらい、「願望」だけでエントリを書き続けているだろうか。「どうしても、これだけは見たいのだから、きっと叶う」という願望だけで。叶わなかったときのことは考えていない。考えてもしかたないから。

デッドラインは、すぐそこにある。永遠に「願望」のままではいられない。どんなふうに締めくくられようとも。そしてそこから、始まる。



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